批評祭参加作品■「美しいミサイル」 いとう/たりぽん(大理 奔)
度のようにも思うわれる。ひとくくりにされた世界ではなく、あくまでも人間、小人に比喩される人間がひとりひとり持ち、手をつなげていった輪の名前。そこに硬質な「美しいミサイル」だけがこの世のもののように置かれている。その何という人間不信。自分からをも孤独な心。
謎解きはしない、といいながらもこの詩には謎めきの罠が張り巡らされている。小人達、輪、妊婦・・・それぞれに意味を持たせてパズルのように組み合わせてみても最後まで埋まらない空白が用意されているだけだ。幾重にも幾重にもシンボリックな言葉を重ねながら、それでいて辿り着けない。
武器は美しい。殺傷力の高いものほど洗練された美しさを持っている。で
[次のページ]
前 次 グループ"第3回批評祭参加作品"
編 削 Point(3)