批評祭参加作品■「美しいミサイル」 いとう/たりぽん(大理 奔)
一年「美しいミサイル」という作品は私にとって、児童公園の砂場にできた風紋だった。目を閉じてしまえば気にすることもなかったが、砂場をながめるときにはどうしてもその理由を知りたくなる風紋だった。
しかし、謎解きはしない。それはこの詩の本質を包み隠しかねないから。
私がこの作品から感じたのは 孤独 だ。それが作者なのか私の中の何か、なのかはわからない。ただひたすら満たされることのない、それが「潰すもの」のように思えてならない。欲・・・性欲、物欲、権力欲・・・戦争、誕生・・・「境界をみることのない」人間の世界の輪。平たく「世界」といってしまえばそれがいちばん近いと思うが、もっとも遠い温度の
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