静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)/渡邉建志
やしないで、
オレンジジュースの向うの心中を見ているが、それは、あくまで、
スクリーンに映った遠い世界に憧れているだけのようであって、
ぱらぱらめくって水分を失ったふたりは、
レストラン「でも」渇いてしまうし、あまつさえモンキーの顔まで忘れてしまう。
だれかが
オレンジの皮を
夕焼けにむかって投げた
青春している
新人物が現れる。
それともオレンジの皮をなげたのは、すでに出た「だれか」なのだろうか。
ここで投げられるのはオレンジの皮なのだけれど、
(僕には)それはバナナの皮の可能的な映像を含み
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