静かに、なるべく静かに(アスパラガスさん讃1)/渡邉建志
ページのなかにも人がいて、ふたりは水分を捨てていくのは、
ページが紙で、ぱらぱらしているからだ、と思う。
心中したという気持ちで
生きている
レストランでも
渇いて
モンキーの顔を忘れてしまう
ふたりは「心中したという気持ちで」あるという。
この一節に、おどろくほど死の匂いがしない。
実際、改行して「生きている」のだという。
たぶん、「見ている」のかもしれないページのなかの人は、
心中したのかもしれない。だけど、それを「見ている」のかもしれない
ふたりは、オレンジジュースなんか(見ているようで)見やし
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