眉のあたりにすずしさの残る少女みたいに/須賀敦子とその「詩集」について/渡邉建志
 
の本たち』を通読したためで、この本は(最初の方は私には読みにくかったけれど、)最後まで読んでみるとほんとうに素晴らしく、とおして見ると一冊全体がほとんど聖書のように輝いて、間違いなく私の生涯の一冊になる、と今は自信を持って言える。『遠い朝の本たち』の美しさは、須賀の若い頃の迷いや苦しみがまっすぐ凛として立ち上がっていることで、この詩集もそれと似た空気をまとっている。『遠い朝の本たち』を諦めずに最後まで読んでみて、と言うのも、他の人への一冊目としてのおすすめとしてあるかもしれない。


    Expandi manus means ad te


陽のきらきらす
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