眉のあたりにすずしさの残る少女みたいに/須賀敦子とその「詩集」について/渡邉建志
?の人の思い入れの激しさが強く、あんまりいろんな人が須賀の文章をいいというものだから、最初グループ?に属していた私(一冊だけ、確か『トリエステの坂道』を読んで、「まあ、いいけど、あの人たちが言うほどかしら」などと思い、もう一冊、『遠い朝の本たち』の最初数ページを読んで「須賀さんのイタリア経験でなく、日本での子供時代を読むことになんの意味があるかしら」などとあさはかにも考え、そのまま十年ほど過ごした私)は、今なら、最初の作品『ミラノ 霧の風景』から入るべきだったな、思うし、他の人にはそうお勧めしたいのだが、でも、いま私がこのどうしようもない恋に陥っているのは、何度も読もうとしては失敗した『遠い朝の本
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