眉のあたりにすずしさの残る少女みたいに/須賀敦子とその「詩集」について/渡邉建志
 
脇さんが向うの方を歩いているだけで、ああほんとうの詩人が歩いている、と思ったりして(笑)。とても怖くて話しかけたりはできなかったけれど。」(『池澤夏樹詩集成』付録)と話しているが、ここでほんものの詩人に祭りあげられているように見える西脇さえも、公表を前提としない私信においては、「西脇という人は、慶おう[ママ]にいたころ、一度何かのクラブで話をきいたとき、キザでいやだなと思っていたのですが、昨日のインタビューでは、記者が『先生、多くの詩人がローマをうたいましたが、先生のお作にもなにかローマを主題としたものがありましたら』とか何とかきくと、メザシのような貧弱な老詩人は、実に学校先生口調の英語で(これが
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