■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
 
榜しながらも結局のところ日本古来の七五調のリズムで書かれなければならなかったのとは違い、ここではそうした古い韻律を排除して、萩原朔太郎直系の口語詩にふさわしい韻律を採用している。
 現代が多様性の時代であるのと呼応するかのように、日本の現代詩も多様な姿を見せていく。当然のことながら、韻律もたったひとつのパターンに縛られることはなく、作品によって様々なリズムをつくり出していくようになる。


秋のあらしのあしおとの曲りくねり
うねりめぐる空気の蛇のきらめく肌
にふぢいろにふるへるふしだらな伏
し目の夫人ほうほうぼうぼう骨のホ
ルンを吹き鳴らせばそれは空にむか
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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