■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
 

って果てもなくふくらむ透明なトオ
テムポオル唐草絡ますコリントの柱
りらりらぷるんらりれろれるりらラ
マの蘭塔より沙漠のサボテンよりは
るかにはるかに晴れわたる白昼の闇
を破って沸沸と噴きあげる白い噴水

(那珂太郎「秋の・・・」より)


あさ八時
ゆうべの夢が
電車のドアにすべりこみ
ぼくらに歌ういやな唄
「ねむたいか おい ねむたいか
眠りたいのか たくないか」
ああいやだ おおいやだ
眠りたくても眠れない
眠れなくても眠りたい
 無理なむすめ むだな愛
 こすい心と凍えた恋
 四角なしきたり 海のウニ

(岩田宏「いやな唄」より) [次のページ]
   グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(3)