■批評祭参加作品■ 「 ロッカーズの星は今夜も瞬いている 」 〜 Muddy stone Axel .../服部 剛
 
る夜、
ファックスでその追悼詩を送り、この店の店長の妻であり、彼と親
しかった詩友のIに代読してもらった。 


  その破天荒な男は 
  突然僕等の目の前に現れた 

  目に映るあらゆるものに逆らい
  虚空に拳を殴り続け
  いつも目には見えない何者かの影に怯えながら
  心の弱さと戦う彼は 
  一体何を求めていたのだろう 

  土曜の夜の場末のBarで 
  マイクを手にした
  彼の口が羅列する機関銃の言葉 
  誰の手も届かない心の懐(ふところ)に 
  疾風は吹き抜け 
  月夜の狼となり吠える彼の肉声に 
  深夜の酔いどれ達は振り向い
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  グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(6)