詩想/黒乃 桜
 
を合わせるようにしゃがみ込んでいたが急にすくっと立ち上がった。
そしてこちらを見下ろしながらにっこりと微笑んだ。

「まあでも、そのきったない顔洗えば2ヶ月くらい寿命伸びるかもね!」

はきはきと元気な声で相手は言うと、じゃ、と片手を振って去っていってしまった。
そんな相手の後ろ姿をまたぽかんとしたまま見送って暫くして、苦笑のような笑みを零した。

「顔洗ったら寿命伸びるとか・・訳わかんねー」

そう言って少しだけくすくすと笑った後、また相変わらず不機嫌な空を仰いだ。
ピアニッシモはどんどん灰になっていく。

「あいつ結構美人だったなー・・男だったけど」

ぽつりと呟
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