詩想 ?7/黒乃 桜
る事も投げ出してしまう事も出来ないのが妙に腹正しかった。
部屋の真ん中に、大量の楽譜が入った紙袋を置いた。
つい勢いで貰ってきてしまった、いや預かってるんだっつの、なんて頭の中で暫く自分とやりとりをして
一番上の楽譜を手に取った。
五本細い線が引かれ、それの上に黒い音符やら白い音符やらが並んでいる。
もちろんすらすらと読めるわけではない。
一番下から数えて、ド、レ、ミ、ファ、あ、これファだ・・、というように読んでいくが途中で面倒くさくなって諦めた。
一番上に、ルピナス、と走り書きで書いてある。
恐らくこの曲のタイトルだろう。
小さくため息を零して、楽譜を紙袋の上に戻した。途端
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