ブルースカイ(「バード連作集2」)/光冨郁也
 
コーヒーを注文する。わたしは本棚から、読む雑誌を探す。手に取り読む。活字に疲れると、窓の向こう、バードが飛んでいた空を見る。青い空に、翼が羽ばたく姿を思い出す。集めた枯れ木や流木に、風が砂を吹きつける。
(空の青さを取り戻すために)
 砂に生える枯れ木。その上に広がっている、窓越しの遥かな空。風が吹く。わたしが枝に付けた、バードの羽根が揺らめいている。その女の顔を思い出す。

 わたしは振り返る。ドアのガラスに、切り取られた冬の、薄い空の形。
   グループ"散文詩「バード連作集1・2・3」"
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