遺書(3)/虹村 凌
 
除いて、俺のように遺書を書いたりする事はしないだろうと思う。いや、案外、ブームになっているかも知れないが、外界では何が起こっているのか、新聞も読まなければテレビも無いこの部屋にいると、何もわからない。まぁ、ブームになっていようがいまいが、あまり俺には関係無いが、あまりに酷いブームだと、それに乗っかっているようでむかっ腹が立つ。しかし、それを確かめる術も持たない俺は、黙って横になるのみ、である。確認しようと思えば、即座に出来る事ではあるが、それを確認しようとも思わないので、俺は黙って横になっている。誰とも口を利かない一日が、またこうして終わっていく。別に珍しい事でも、大した事でもない。こうやって、誰
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