遺書(3)/虹村 凌
きなリスクを無視したり軽視して、突き進んだりする。一条の光、それこそが、希望。麻薬みたいなものだな、と思う。そう考えれば、希望と言う名前の煙草を吸う、と言うのは笑える皮肉かも知れない。
俺はホープを大きく吸い込んで、灰皿に押し付けた。この部屋にある、唯一の時計である、充電器につなげっぱなしの携帯電話を見ると、時計が午前8時半を表示していた。俺は大きく伸びをして、今日はもうかかない決意を硬め、薄汚れた万年床に横になった。煙草と汗の匂いがするシーツと布団の狭間で、再び遺書についての考えをめぐらせる。
俺の行動は、正しいのか。そう考える事もある。恐らく、世間の大多数の若者は、自殺する者を除い
[次のページ]
次 グループ"遺書"
編 削 Point(0)