「名」馬列伝(5) ドルフィンボーイ/角田寿星
 
走、通りがかった大型トラックの前で横転し柵に激突、九死に一生を得たこと。
ゲート練習で、十人がかりでゲートに押し込んだら暴れて、ゲートごとぶち壊して飛び出してきたこと、などなど…
いや、畏れ入った。よくまあこんな馬を、諦めずにデビューまで持っていけたものだ、と思う。関係者の苦労と執念が偲ばれる。

明けて4歳。彼には産経大坂杯から天皇賞への挑戦、のプランが組まれていたという。しかし右前副管骨骨折。長い休養期間に入る。
こうなると激しすぎる気性は、デメリットにしかならない。受入先がないため、休養も、引退さえもままならない。大手術の後、広島の装蹄師の元での治療。復帰に2年もの歳月を費や
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