「名」馬列伝(12) ビンゴカンタ/角田寿星
直線少しだけ伸び、時には後方から直線少しだけ伸びた。
6歳になり、条件戦を走るようになっても、そのレース振りは変わることがなかった。
そして6歳の夏、新潟記念。差のない5番人気。
前走の七夕賞、関屋記念を5着、4着と手堅く収めた彼は、相変らず有力馬の一頭だった。
第3コーナーで骨折、競走中止。彼のレースはそこで終わってしまう。
叔父の時のような奇跡は起きなかった。
叔父は有馬記念で競走中止、予後不良級の骨折から奇跡の生還を成し遂げたのであったが。
2歳から6歳まで、ささやかながらも息長く、競馬史の一コマに彩りを添えていた名脇役。
そんな彼の最終舞台は、こうして幕を閉じた。
ビンゴカンタ 1980.4.5生 1986.8.24死亡
26戦3勝
菊花賞2着、東京優駿3着、皐月賞4着
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