面接(13)/虹村 凌
 
吸い込んで、吐いて。踏み切りが鳴り始めたところで、女が煙草を窓の外に投げ捨てた。
「捨てんなよ」
「ごめん」
「で、お前、何しに来たんだ?」
「何って?」
「ここに煙草吸いに来た訳じゃねぇだろ?」
「あ、何?したい?」
「そういう事じゃねぇよ。おい、手ぇどけろ」
 女の手が股間を弄る。
「したくないの?」
「したい、とかしたくねぇ、とかそういうんじゃねぇ」
「じゃあ何?」
「何か話があって来たんじゃねぇのか?」
「別に」
「フン。なら話は早い。俺ぁ寝るぜ。てめぇもさっさと寝ちまいな」
「しないの?」
「しねぇよ」
 俺はレースのカ
[次のページ]
   グループ"面接"
   Point(1)