面接(13)/虹村 凌
 
し、そんな緊急回避は、大した意味をなさないだろう。
 セブンスターに火をつける。
 ジ、ジリジリ、ジジ、ジリ。

 ドアが叩かれた。セブンスターを咥えたまま、ドアをあける。いつか、見た事がある顔の女が、ドアの前に立っていた。その瞬間の俺は、どんな表情をしていたのだろう?
「なに、どうしたの?…入っていい?」
「あぁ…」
 俺は彼女を招き入れると、ドアを締め、チェーンもかけた。
「チェーンするの?」
「ん?あぁ…いつもの癖なんだ。しないほうがいいな」
「いいよ、そのまんまで」
「そうか」
「ねぇ、君、誰かと住んでる?」
「あぁ」
「彼女?」

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