面接(14)/虹村 凌
 
マルボロライトを入れて、煙草の火を消した。俺に向けて差し出すので、俺も短くなったセブンスターを入れた。微かな煙が、ペットボトルの中で交わって、小さな口から出て、消えて行った。
「何考えてるの?」
「ん?いや、別に…」
「ふーん」
 俺が考えている事には、あまり興味が無いそうだ。ぼーっと窓の外を眺める。轟音をたてて電車が走り去る。光と影が素早く流れていく。ドクン、ドクンと心臓が音を立てる。脳味噌の中で、立ち直りかけた理性が、再び吹き飛ばされる。求める、まぐわい、番い、交わり、溶けて、行く、俺を、見つめて、見ぬふりをして、溶けて、溶けて、飛び散る。二人でシャワーを浴びて、もぐりこんだ布
[次のページ]
   グループ"面接"
   Point(1)