面接(15)/虹村 凌
 
ームへと消えていった。
 
 セブンスターの先が、ボロリと崩れ落ちる。
「タオル取って」
 女のこの言葉まで、俺はずっと、何も考えておらず、ぼーっとしていた事に気付いた。俺は燃え尽きてフィルターだけになったセブンスターを灰皿につっこみ、干してあったタオルを持って脱衣所に向かった。シャワールームのドアが半分開いて、手が伸びている。俺は黙って、その手にタオルを掴ませる。
「ありがと」
 女はドアを締めて、すりガラスの向こう側で体を拭いていた。その様子を少しだけ眺めた後、俺は脱衣所を出て、リビングに戻った。何となく、やらなきゃいけない気になって、部屋を片付けて、灰皿の中のセブンス
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