面接(16)/虹村 凌
 
は頭を俺の肩の上に置き、大きく息を吐いた。
「疲れちゃった」
「うん。お疲れ様」
「お風呂、入りたい」
「うん。入れてくるね」
 俺は立ち上がり、風呂場へ向かった。脱衣所のドアを閉めると同時に、軽い吐き気に襲われた。理由はよくわからない。罪悪感とか、そういうのかも知れないし、違うかも知れない。そもそも、吐き気に教われてたのかすら、よくわからなくなってきた。俺は風呂場に入り、中を軽く流した後、お湯を張るべく、栓をした。白い湯気が立ち上り、室内の空気が湿気を帯びて、重たくなっていくのがわかる。小さい深呼吸をひとつして、俺は浴室を出た。
 リビングに戻ると、彼女はスプーンを目の上
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