面接/虹村 凌
でもしませんか?」
「いいですよ。じゃあ、俺が知ってる珈琲屋でいいですか?」
「はい。」
それだけの会話を終えると、無言に戻り、若干気まずい空気が流れる。別に、この空気は苦手じゃない。俺は平気なのだが、相手はどうなのだろう。よくわからん。彼女が苦手なら、気を使って、この空気を換えねばならない。とは言え、何を話したらいいのか。自慢じゃないが、引き出しは多い方だと思っている。それだけに、わからない。あまり外すと、更に気まずくなる。さて、どうするべきか。無難なのは、本日の業務内容の事くらいだろうが、それもそれで無難過ぎる。すまない、嘘だ。会話の内容より、彼女の事が気になって仕方無い。何だろ
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