面接(2)/虹村 凌
 

 言い終わった後、乾燥のあまり、かはっと変な音が出た。ろれつが回っていたのかすら記憶に怪しいほど、緊張している。彼女は、俺が何を言っているのかわからないと言う表情で、ずっとこちらを見ている。視線が外せない。完全に、空気に飲まれている。びしょびしょに濡れたグラスの中で、氷が音をたてて解けたのを機に、俺は慌ててグラスに手を伸ばし、わずかな水を舐め、ついでに氷を噛み砕いた。
 長い。あまりにも長い沈黙が訪れる。緊張のあまり飛びそうになる意識を、新しいセブンスターでどうにか繋ぎ止める。
「あの…」
「かっ…」
 はい、と言おうとして、また喉から変な音が出た。
「?」
「いえ、なん
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