面接(2)/虹村 凌
 
いられる。今まで、説明を怠ってきたから、変人扱いされてきたし、それが嫌だったから、色んな場所で仮面をかぶってきた。
 俺は新しいセブンスターを取り出して、火をつけた。
 店員が、新しい灰皿に交換してくれた。
「端的に言うと、俺、」
 ここまで言って、次の言葉を選んでいる。
「変、なんです」
「…」
 さっき聞いたよな、と思い急いでフォローの言葉を探す。
「どう変かって言うと」
 待ってました、と言わんばかりに彼女がこちらを凝視する。あからさまに体温が上昇し、心臓の鼓動は早くなり、喉と唇は干上がり、あごが微かに震え出した。
「俺、女の人、怖い、んです」
 
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