面接(2)/虹村 凌
ままマウンドに立っている心境とは、このような感じなのだろうか、などと本当にどうでもいい、場違いな事を考えている。俺の脳味噌が読まれていたら、ジャパニーズオーシャンスープレックスホールドをぶちかまされても文句は言えない。だめだ、他の事を考えたい。と言うか、眠りたい。極度の緊張で喉が渇いているが、それ以上に眠りたくて仕方が無い。
「あの…」
「はい」
反射的にビクッとする筋金入りの女性恐怖症だ。
「煙草、セブンスターですよね。」
「セブンスターソフトです。たまに、浮気してキャメルとかピース吸ったりしますけど」
「私、ピースなんです」
「知ってますよ」
「え?」
「
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