面接(2)/虹村 凌
た事は無いが、ギャルゲーなんかだと、こういう時に選択肢が三つくらい出てきて、その選択肢で好感度が上がったり下がったり、なんて事を考えている。現状は、どう考えても好感度が激しく下がっている。
空気が読めない訳ではない。むしろ、空気は敏感に読める方だが、そのリカバリーの仕方を全く知らない。俺の脳味噌がフリーズする。ね、眠い。
「…あんまりそういう事言わない方がいいと思います」
彼女は、灰皿の上で燃え尽きたセブンスターを眺めたまま、こちらを見ずに小さい声で言った。
「すみません。こういうの、慣れてないんで、つい」
俺は縮こまって、灰皿の上でチリチリと燃えるセブンスターを手に取る
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