面接(2)/虹村 凌
まえて話さなくてはならない。言うのは簡単だが、やるのは難しい。
自分は変人である、と言う自覚はある。だが、さほどでもないと言う自覚もある。そのバランスが重要であると考えているが、じゃあこの三つをどう話そうか、と言う事に、最初から戸惑っている。ここまで来て、また今度、と言う訳にはいかないだろう。
「俺、別に浮気とかはせんと思うんです。と言うか、出来んと思います」
「どうしてですか?」
「あんま、モテないんで」
言った瞬間に、しまった!と心の中で叫んだ。これは言うべきじゃなかった。彼女の表情が一瞬曇った。人生は選択肢の連続だと言うが、何となくその通りだろうと思う。あまりやった事
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