面接(4)/虹村 凌
 
ような水溜りを見ていた。煙草の白い灰がくるくると舞って、幾つかが黒いシミの中に落ちていった。
 自動販売機の灯りに照らされた彼女は、立ち上がると、一瞬だけ闇の中に消えて、再び何処かから差し込む光に照らされて現れたり、また消えたりした。向こうに行く時も、あぁやって出たり消えたりしたのかな、と思う。彼女は近くまで来ると、缶珈琲を放り投げた。
「っとォ。」
「それで冷やして下さいね」
「うん」
 俺は缶珈琲を即座に開けずに、しばらくまぶたに当てていた。熱がすっと引いていくのがわかる。隣で、ジッポで火をつける音がする。ぶわっ、とピースの香りが広がる。
   グループ"面接"
   Point(2)