面接(5)/虹村 凌
りしたくなったり、電車の中で意味不明な叫び声をあげたくなったり、片っ端から道行く人を捕まえて「君の哲学を教えてくれ!」と問い詰めたくなったり、色々としたくなる。叫んだりはしないけれど、そんな衝動はある。自転車ですれ違う人にラリアートをしたくなるような気分に似ているかも知れない。通り魔的な小規模なテロ行為だと思うが、実際に行動に移さなければいいだろう。考えるだけなら、犯罪にはならない。黙ってさえいればいい。
そんな事を考えている俺を見抜いたのか、
「何を考えているんですか?」
と彼女は聞いてきた。俺は、今考えていた事そのまんまを、伝えた。
「やっぱり、俺、変わってますかね」
別に、何の
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