面接(7)/虹村 凌
。布団すら敷かれていない、狭いのか広いのかすらわからない六畳が広がっているだけだった。
「はは…はははっ!」
人間と言うのは、本当に困った時とか驚いた時と言うのは、笑うんだと聞いていたが、情けなくなった時も笑うとは思っていなかった。また、涙が出てきた。右手にピースを挟んだまま、俺はしゃがみこんで、笑いながら、泣いた。まぶたが痛んだ。
どれくらいの間、そうしていたのかわからないが、浴槽からお湯が溢れる音が聞こえたので、立ち上がり、蛇口を捻ってお湯を止めた。風呂場から出て、意外と長いままだったピースを便器に放り込み、俺はズボンを脱ぎ、パンツを直接洗濯機に入れた。桶を掴んで、浴槽の中をかき混ぜ
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