面接(17)/虹村 凌
バカにしてんの?!私とその女、どっちが好きなの?!」
当然の質問だな、と心の中で思う。逆に、今まで聞かれなかったのが不思議なくらいである。俺は短くなったセブンスターを洗っていないコップの中に放り込んだ。火が水に触れて、ジュッと言う音が聞こえた。
「正直、よくわからないけど、きっとあの女の方が好きなんだ」
「何で?!私とそんなに何が違うの?!こういう事を言うから、私じゃダメなの?!」
随分、普通の女なんだなこの女性(ひと)は。そう思った。
「別にそういう事を言うからダメなんじゃない。敷いて言うなら、安心できるから、かな」
「はァ?!どういう事?!」
「安心しきっちゃっ
[次のページ]
前 次 グループ"面接"
編 削 Point(1)