面接(17)/虹村 凌
 
も?」
「そんなのは関係ない」
「…」
 彼女はくるりと室内に向き直ると、ニヤニヤと笑っていた。指でピンと煙草をはじき、窓の外に放り投げた。先端が真っ赤に燃える煙草は、くるくると回って、やがて窓のフレームの外に外れて、視界から消えた。
「へぇ。自分には何も言う権利が無いって、そう思うんだ?」
「あぁ、全くその通りだ。そう思う」
「それって何?私が好きだから、とか言うんじゃないでしょうね?」
「それとは別だ。ただ、君の事は、好きな事に違いはない」
「何で?!何でそんな事が言えるの?!」
「嘘じゃない。好きだよ。本当だ。君といると、凄く平和な気分になる」
「バカ
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