超真理男兄弟[場面1−1]/国産和風モモンガ
 
も、それは完全には正しくない。完全に正しいことなんてあってたまるか。
 勢いよく飛び出したら死んでしまったのは書き出しについてではない。
 あっとういう間にひとり減ったのは読み手の数ではない。
 レンガも雲も木々も何のアナロジーでも暗喩でもない。木々なんかその気になって読めば最後の一行を見越してところどころに按配するショート・ストーリーの連なりみたいに読めるけどでもぜんぜん違う。木々は木々だ。
 べたべたしている手だと欲しいものも手に取れない、というのも、濡れ手に粟という諺とひっつけて慾だけで詩を書いていると有名になれないとか、本当に書きたいものが書けなくなるとかそういうことではない。あん
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