超真理男兄弟[場面1−1]/国産和風モモンガ
 
過ぎるとまたひとつ視野の切れ目から急に出てくるといったみたいに、点々とまばらに植わった木々やサボテンは一生懸命走っているとちょっと驚く。何の邪魔にもならないとはいえびっくりする。
 ずっと走っているとやっぱり手に汗をかくから、途中でシャツの腹とかズボンの膝とかに片手ずつこすりつけながら進む。べたべたしていると欲しいものも手に取れなくなるからな。それにあまり汗をかいているとゴールした時にみっともない。一歩手前で一回死ねばそんなこともないのだろうけれど、あいにくその頃にはたったひとりで走っているなんてことがザラだ。寂しくはない。ちょっと虚しいけど。でも栄光への架け橋がもう少し先に待っているんだと思う
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  グループ"超真理男兄弟"
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