五十音頭韻ポエムな〜の/佐々宝砂
 
[な]


――懐かしい泣き虫さんへ

長雨のなか
なけなしの茄子がなったので
撫でまわして和んでいます

仲間にはなじみましたか
訛には慣れましたか
ないものねだりの
涙を流していませんか

なあに
悩みも嘆きも
なりわいも
なんやかや流せばいい
なりゆきでなんとかなります

夏になったら

夏木立のなか
夏風になぶられながら
怠けられるだけ怠けましょうよ

波打ち際に仲よく並んで
波を眺めて
生ビールなど舐めましょうよ

生意気な夏草は
なるたけなぎ払っておきます

長話もなんですからこれで
何かあったらなんなりとね


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