「モノポライズ」/長谷川智子
あるいは「執着の向かう先、発火点」
1 嚆矢 あるいは 発芽
もし私が
あんなところに
あんなかたちで
登場しなければ
知らなくてよかったのかもしれない
なにも知らずに
どこか別のところで笑えて暮せてた
そんな気がする
初めて世界に触れた頃から存在していた
インフラの無さ
とても憎い
でもそれよりもわだかまる由々しさ
厳然と存在する愚かさ
それらについて綴ろうと思う
2 汚染源 そして 毒、濫造
木造の小さな箱の中には
私以外の人はいた
でも絆のもとになれる
花を育てられるくらいに充分な養分も肥料も土壌も
なかった
か
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