風のオマージュ その3/みつべえ
い勇気であろう
「ビシビシ」「どんどん」「赤く赤く」という言葉の軽快なテンポ。短く言い切るセンテンスも効果的。急ぎ足の歩行のリズムが全行を律していて爽やかです。ここで「夜が明ける」「朝日に燃え初める」は、前の方の
いきなり井戸の水を汲む
釣瓶から落ちる水の美しさ
その瀑布の上を
夜明けが競争で光をふりまき
反射で彼女の全身を
淡紅色に染め初める
という部分と視覚的に照応していて、夜が明けてくる時間的経過と「彼女」の歩調が二重うつしに描かれています。つまり「彼女」が歩くに従って夜が明けてくるというわけなのです。
赤く赤く町が朝日に燃え初める
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