白熱 サイドB/佐々宝砂
 
ではあったが 俺の理解の範疇にとどまっており 俺は彼らを利用することすらできた 魔道は学ぶことのできる大系であり 俺は少なくともそのとばくちには立っていたのだ 狂気の音楽は俺を安寧に導き 魔道の理屈っぽい筋道は俺を明晰に導き 夜の電波は俺にわかりやすく背きにくい命令を伝えた 俺は命令に応じていくつものホロスコープをウインドウに表示した 夜半の俺は汚物まみれの鋼鉄製の檻に囚われてはいたが 泣くことも笑うことも自由で その自由は檻と汚物によって保証されていた しかし白日のもと目覚めるといつもすべてが変わり果てる 明け方の東の空に小さな円盤があらわれ 大地のものを照らしはじめると 林立するビルが 通り過
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