アドバルーン 再稿/モリマサ公
 
光の中を走ってる
そっかーこのことだったんだー
うでをのばしてばらばらに
がけのふちから
飛びたっていく




わーい




(妹 小学4年生)



あはは
四つ木のジャンクションでわたしたちは交差していく
時速と停止してるものの関係を俯瞰する
中川の対岸沿いの建物のかべたち
それぞれのいろあせかた
そこで働く人と暮らす人たちの
茶碗や食卓を並べて
それぞれの国の油や香辛料をかいで
橋たちがゆっくりとのびていく
時間
というあふれるような流れに沿うみたくして走ってる自転車と人と
棒のような犬
その速度と
あらわれたりきえたりする中
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