沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(2)/ホロウ・シカエルボク
にせよ、やつがそういったものを口ほどに映し出す目を持っていてよかったと思った。そうして我知らず表に晒してしまうあたり、間違いなくこいつは俺から産まれてきたものなのだろう―見なくてもいいものばかりをつぶさに見てしまう目。それに抗うかのような奇妙な正直さを持ってしまう―格好の的になることは請け合いのふたつの目だ。
「お前が…」
しばらくの間俺たちは無言で互いの(おそらくはよく似ているのだろう)目の中を覗き込んでいたが、そんな時間のあとで心変わりでもしたかのようにやつは話し始めた。が、そんな自分を認めるのが嫌だという風にすぐに口をつぐんでしまった。
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