沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(4)/ホロウ・シカエルボク
 
うとする(いつもそうだ)。見ようとすればするほど、それがどんなものなのか判断がつかない。音響効果に致命的な欠陥があって、ステレオサウンドが突然片方沈黙する。両方にあるべき音が片方からしか聞こえない。それが頻繁に起こる。聞くべき台詞は必ず、沈黙している側のチャンネルで再生されている。

聞き逃した―まただ。また聞き逃した。これは、どちらの領域での出来事だ、現実か―生身の身体で感じている現実か?それとも、脳内で展開されているたるんだイマジネーションか?俺は選択を迫られている。逃したものについて何らかの決定を下さなければならないのだ、こんな、馬鹿げた話があるか?「知ることが出来なかった」ものについて
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