沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(4)/ホロウ・シカエルボク
鄙な場所に捨てられた術の無い子犬のような気分になってくる。帰れない、もう帰ることは出来ない―陰鬱な過去、陰鬱な未来。陰鬱な現在以外のすべての時間が部屋の四隅からざわざわと這い出してきて蠢いている。何のために?眠りすぎた日の目覚めのような感覚―脳味噌のある箇所がファンヒーターになってしまって、絶えず微弱な温風を吹き上げ続けている。頭蓋骨の中でそれが廻り廻る。俺は目覚めながら白昼夢を見る。脳内のディスプレイは逆さまだ…陰鬱な時間の中に詰め込まれたすべてのものがそこでリピート再生されている。長い長い映画。長い長い逆さまの映画。しかも、見る価値などこれっぽっちもありゃしない。目を凝らして理由を確かめようと
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