沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(6・完結)/ホロウ・シカエルボク
 
のだ、それは言葉にしてみたところで、どこか座りの悪い奇妙なものになってしまうようなものなのだ―言葉にしないことが定義である場合だってある。

シャープペンシルの先をほんの一瞬画用紙の上に置いたときに出来る微かな濃度の点、俺の意識の構成がそんなものになり、次第に夢の様な現実の中へフェィド・アウトし始めたころ、腐臭の指先が不自然なほどに深く俺の首に食い込んだ―ように思えた。それと同時に、塞がれていた喉が突然開きしぼんでいた肺が急激に空気を取り込んで膨張した、そんな状態に対応することが出来ずに涙と鼻水を流しながら俺はむせ込んだ。床に這いつくばる形になった俺の眼前には腐臭の裸足の爪先があった…顔を少し
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