沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(6・完結)/ホロウ・シカエルボク
ことは出来ない。確信だった。そこに理由は無かった。それはすでにそういうものだった。事実そういう風に流れるものに理由など無いのだ。そんな流れの中に理由など存在したことがはたして在ったのか?腐臭が俺を殺せないのは、そう―仕方の無いことだったのだ。俺には自分が死なないことが判っていた、だが、そのために自分がなにをすればいいのかということはなにひとつとして判ってはいなかった。だからじっとしていた。じっとしていると奴の感情の流れが細く硬い指先から光の粒子が浸透するように俺の体内に流れ込んでくるのが感じられた。そんなときの気分を言葉に変換するような真似は、もう、しなかった。それは言葉にするべきものではないのだ
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