おくり/たりぽん(大理 奔)
 
波打ち際
雪に縁取られ
烽火(のろし)をあげる夜

  松がいい、そうだ黒松だ

沖の漁船
送り雛のように
漁火を灯いて連なる夜

  星が海に突き刺ささってやがる

雲の切れ目
見えるか東の山稜
君は眠っているのだろうか

  さあ、星よりあかく 雲よりたかく

編みかけの星達
ここは銀河の淵

  おい、その松は骨みたいに白いぞ

天空の烽火をみたよ
今、君に伝える

  ふう、ほのおは血のようだぞ

烽火(のろし)よ遠くまで
君まで

飛沫(しぶき)にぼやける
世界で

夜の果てる、その
先まで



殉職した後輩 MOに

05/8/6投稿の未詩「烽火をあげよ:白兎海岸」改稿



   グループ"おくるうた"
   Point(9)