8×2は永遠に/キセル
蝉が五月蝿い
ミンミン
ミンミン
ミンミン
ミー
片かげが校庭に伸び、
僕は桜色の汗を流す
遊園地に来た子供の様に
その保護者の様に
薄黄色の時が過ぎて、
寂れた校舎は
ぼやけた山吹色に染まる
片かげをつくっていた太陽だったが、
彼の影は校舎の手前まで伸びている
今日は畑に水をやってみる
蜂に水をかけてしまった
イクヨ
「どこを見ているの」(今を見なさい!)
ごめんなさい
イイカイ
「なんとかいいなさいよ」(先生にお話しなさい!)
ごめんなさい
ドウナルカ
「あなたもう高校生でしょ」(生きようとしなさい!)
ごめんなさい
ワカラ
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