プレゼント/キメラ
たじゃないか!!」
母は戸惑い慌てた…
「でも良く出来ているでしょ?あなたには赤いウルトラマンで、お兄ちゃんは緑のウルトラマンよ♪ほら♪こうやってね♪手を入れるとね‥」
「こんなものいらないよ!!」
弟は赤いウルトラマンを投げ捨てた。
母から笑顔が消えた…
床に突っ伏し‥肩を震わせ泣いた。
母は買わなかったんじゃない。買えなかったのだ…
母は毎日残業で二人を食わす為にクタクタだった…
何度も足を運んだんだ‥そっくりに作ってあげたいと…
死に別れた哀しみと闘っていたんだ…
二人に涙など見せずに…
人形はきっと二人が寝
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)