眠れ、泥のように/知風
園かのように信じ込み
おのれを庭師に見立ててみたり
天よりの雨に打たれ
身をおおう土くれを雪げば
そこに桃核の如き宝玉が在ると説く
おまえたちは偽りの夢に溺れ
泥中へ深く深く沈むだろう
もがけ、泥塊の生活者よ
愛すべき正直者たちよ
泥塊のその身を以って
直向きに空を目指す姿
泥を喰らい泥を排泄して
かくも汚らしく動き回るおまえたち
折り重なり頭を踏みつけあい
それでも遥か天に届かぬおまえたち
汚く 哀しく 美しいおまえたちよ
疲れ果てたその時には
目を下ろしてみるが良い
泥塊のバベルを囲む
どこまでも繋がる地平線
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