「袖道」/m.qyi
 
じおなじ、オナジオナジオナジオナジオナジオナジです− 俺はそんなんじゃな
い、俺は、俺は、オレダケハ、この、ここにいる、オレは、違うんだ、絶対に、違うん
だ、と拳を叩いて、ぼくは読みました。何度も、叫んで、喚いて、ね。それなにも変わら
ず、いつもオナジ風の吹く白いタイルの谷の底で、小さなお嬢ちゃんが可愛い声で朗読を
つづけています。このお嬢ちゃんをねじり伏せることはかないません。このお嬢ちゃんは
作者ではありません。

読むと不快感を感じさせる詩というのがあります。(誤解なさらないで、それはとても大
切なことでしょう、私たちの現実です、)たとえば、プチブルな軽薄な言葉を並べた詩な
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